2017-01-01から1年間の記事一覧
一般的に、健康なカップルが夫婦生活を1年間続ければ90パーセントの確率で妊娠に至るとされています。 女性が妊娠・出産に至るためには、すべての生殖器官が正常に働かなくてはなりません。子宮や卵管、卵巣だけでなく、ホルモンを司る脳の視床下部や下垂体…
子宮内膜症とは、子宮の内側にのみ存在するはずの子宮内膜に似た組織が、子宮以外の場所にみられる病気です。月経期にはがれた子宮内膜の組織が月経血と一緒に逆流してしまうことがあり、それが腹膜や卵巣の表面に着いてしまうと発症します。 骨盤内に生着し…
子宮筋腫とは 子宮筋腫は良性の腫瘍です。実は、30歳以上の女性なら3人にひとりは子宮筋腫を持っています。 大きさやできた場所によって症状は異なります。代表的なものには、経血量の増加、月経痛の憎悪があります。そのほか、月経以外での出血(不正出血)…
今日は少々、専門的な内容のお話になります。まずは孵化補助とはなにかというところからご説明します。 孵化補助(アシステッドハッチング)とは? 孵化補助(アシステッドハッチング)とは、人工的に透明帯に切れ目を入れて、細胞が透明帯の外に脱出しやす…
生理不順になる原因は、さまざまなことが考えられます。 ストレスによるもの、ダイエットによる急激な体重減少によるもの、肥満、ホルモン バランスによるもの、睡眠不足など日常生活の過ごし方も影響します。 まずは、基礎体温(BBT)をつけてみましょう…
●新鮮胚移植と融解胚移植 新鮮胚移植というのは、採卵し体外で受精を促し培養した胚を、その周期に子宮に戻す方法です。凍結、融解という過程を経ず行うので、採卵から最も早く移植することができ、また費用の面でもご負担は少なくなります。 それに対して、…
不妊治療を始めようと思ったとき、まず最初に悩むのがどのクリニックに通院するか、ということかもしれません。 検討材料は主に以下のものがあるでしょう。 ・信頼できるドクターや看護師がいるか ・通院しやすい場所にあるか ・最新の設備が整っているか、…
不妊治療とひとくちにいっても、その原因や状態は人それぞれ。妊娠にいたるまでのメカニズムの、どこかひとつでもうまく行っていなければ、妊娠には至りません。よって、どのような治療が必要でどれくらいの費用がかかるか、というのも人によってまったく違…
妊娠の仕組みは、大変複雑なものです。さまざまな仕組みが関係し合って、そのどれかひとつでもうまくいっていなければ、妊娠にはいたりません。 具体的には、妊娠がなりたつためには以下の条件を満たしている必要があります。 卵胞や子宮内膜の発育をうなが…
子宮卵管造影検査で何がわかるの? 子宮卵管造影検査とはカテーテルを子宮腔に挿入し造影剤を注入してレントゲン撮影をするものです。 検査では子宮の状態(子宮の形、子宮腔の形)を知ることができます。具体的には、子宮奇形の有無と奇形の種類や程度、子…
当院では、お預かりした卵子や精子の取り違えが万が一にも起こらないよう管理を徹底しています。 今日は、取り違え防止のための取り組みをご紹介します。 培養室内での取り組み ①精子や卵子、胚を入れる容器には必ずフルネームで名前を記入し、精子や卵子、…
梅雨のじめじめとした毎日ですから、今はとても風邪をひきやすい時期ですね。 内科にかかる際は、妊娠を希望していること、また妊娠の可能性がある時期かどうかを受診先のドクターに必ず伝えてください。 薬の服用についても必ずドクターに相談され、自己判…
排卵日ごろの2〜3日は、できるだけ毎日夫婦生活をもっていただくことをおすすめします。 多くのご夫婦は、休日や休日前に夫婦生活を持たれているために、毎日というとご夫婦、カップル共に負担に思われる方もいらっしゃいます。ですが、排卵日は月に一回しか…
卵子・受精卵(胚)にとって最も居心地のいい環境が体内だとすると、採卵によって体の外に取り出された卵子は、急激な温度変化、体内にはなかった光、体内よりも高い酸素濃度など、体内とはまったく異なる過酷な環境に晒されることになります。 卵子や受精卵…
射出される精子には、ご主人の3か月前の体調が反映されると言われています。また、ご主人の元々持つ造精機能も関係していますので、こうすれば精子の状態がよくなるという直接的な方法はありません。 ですが、当院の男性外来担当Dr.木村によると、日常生活で…
みなさん、こんにちは。本日はナース室から、よくある質問のひとつ「妊娠に有用なサプリはあるか?」への回答をお届けします。 ■妊活に有用なサプリについて まず葉酸は、赤ちゃんの二分脊椎症という神経管閉鎖障害を予防するために必要な栄養素です。厚生労…
身体的にも金銭的にも負担の大きい不妊治療ですから、思うようにいかないと気分が落ち込んでしまうのは当然のことと思います。妊娠の仕組みは非常に複雑で、1+1=2とはいかないもの。どうぞ頑張った自分をしっかりと褒めてあげてください。ゆっくりお風呂につ…
患者さまからのご質問の数々にお答えしていくブログ、今回は培養室から回答をお届けします♪ では早速、人工授精とはなにか、そしてその過程でおこなわれる精子調整(製)とはなにかを解説します。 ■人工授精とは 人工授精とは、調整した精子をスポイトのよう…
患者さんから寄せられる質問にお答えするコーナー。本日も、ナース室からお答えします。 Q. 治療中にスポーツをしてもよい? 現在おこなっている治療の内容にもよりますが、激しいスポーツ(テニス、ロッククライミング、ジョギング、バスケ、バレーなどの球…
みなさんこんにちは! 今回から、新たに「ナースが答えるQ&A」も始めることとなりました。こちらでは、看護師が普段患者さまよりよく訊かれる質問に答えます。 では早速本日は、基礎体温表についてのよくあるご質問から。 Q1-1 基礎体温表がバラバラですが、…
妊娠しやすい人というのは、卵巣機能が良く、排卵が順調で、ホルモンが十分分泌されている人、すなわち、健康な若い女性であると言えます。 逆を言うと、卵巣の病気を罹患していたり、卵巣機能が悪い方、そして高齢の方は妊娠しづらいことがあります。 生理…
まったく関係がないと断言することはできませんが、おおよそ関係がないものとしてお考えください。 もし過去の中絶経験が不妊と関係してくることがあるとするならば、元々感染を起こしていた方が中絶手術で悪化させてしまった場合や、内膜をかき出すことで内…
赤ちゃんがほしいけれどなかなかできない。けれど、不妊と呼べるほどの状態とも断定できない。そんな状況で悩むご夫婦も少なくありません。 不妊症の定義はもともと「結婚後2年がすぎても妊娠しない」というものでしたが、実際は結婚後1年で、避妊をしていな…
不妊治療は、ひとりではできません。ご夫婦の足並みをそろえて、協力しあいながら進めていくものです。 しかし、不妊治療では、女性のほうが足しげく通院する場合がほとんど。医師とコミュニケーションをとりやすい妻側と、その報告をうける形になる夫側とは…
結論から申し上げると、体外受精の妊娠率は、残念ながらさほど高いものではありません。30代前半の女性でおよそ30〜40%、40代に入るとその妊娠率は8%ほどまで下がってしまいます。 運よく一度の体外受精で妊娠する方もいらっしゃいますし、数年という年月を…
一人目は自然に妊娠したのに、二人目を望んだときになかなか妊娠へといたらない…それは決してめずらしいことではありません。 というのも、体には生殖年齢(妊娠しやすく出産のリスクも低い年齢のこと)という概念があり、30代半ばくらいから卵の質が著しく…
不妊の原因には、女性に原因がある場合と、男性に原因がある場合と、その両方が組み合わさっている場合があります。 今日は、男性不妊における不妊治療とはどのようなものかお話します。 ■男性不妊の検査 男性不妊の基本的な検査は、「精液検査」です。採取…
原因になることもあれば、ならないこともあります。それは、腫瘍の位置によって違います。 詳しく解説する前に、そもそも子宮筋腫とはなにかというところからご説明いたします。 ■子宮筋腫とは 子宮筋腫というのは、子宮の筋肉から発生する良性の腫瘍のこと…
赤ちゃんがほしいけれど、なかなか授からない。もしかして不妊症なのではないか…? そう考え始めた方は、きっと大変不安な気持ちを抱えておられることと思います。ここでは、「赤ちゃんがほしい!」と思ったら、まずは何をしたら良いのかをご説明いたします…
今回は、よく質問にあがる「体外受精にリスクはあるか」というテーマについてお話します。 まず前提として、ほとんどすべての医療行為において、治療の効果だけを享受できることはありません。医療は本質的に不確実なもので、その行為にはリスクが伴います。…