不妊治療のQ&Aブログ

by 松本レディースクリニック 不妊センター

Q.男性不妊の治療にはどんなものがありますか?

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不妊の原因には、女性に原因がある場合と、男性に原因がある場合と、その両方が組み合わさっている場合があります。

今日は、男性不妊における不妊治療とはどのようなものかお話します。

 

■男性不妊の検査

男性不妊の基本的な検査は、「精液検査」です。採取した精液から、以下のことを調べます。

・精液量
精子濃度
精子運動率
・奇形率
・生存率

通常、精液1cc中の精子数(精子濃度)は、6000万〜1億個あります。なんらかの理由で精子数が少なくなり、1500万個以下になっている場合は「乏精子症」、精子がまったく見つからないものは「無精子症」、運動率が40%以下に低下したものは「精子無力症」と判断されます。

ただし、精液の状態は体調やストレスなどによって大きく変動しますので、必ず1〜3週間以内の間隔をおいて、2回以上検査をおこないます。

ここで気になる結果が出た場合は、泌尿器科でさらに詳しく検査していくことになります。

 

■男性不妊の3大原因

男性不妊の原因は大きく分けて3つあります。

ひとつは、精巣において精子を作る機能に問題が起きている「造精機能障害」。2つ目は、精子が作られていても、それをうまく外に送り出すことができない「精路通過障害」。3つ目が、性欲の低下や勃起不全、射精不全といった「性機能障害」です。

 

■男性不妊の治療法

・造精機能障害の場合

精子症の中でも、精子が1000万個以上ある場合は、薬による治療で状態が改善することがあります。

また、泌尿器科における検査の過程で、造精機能障害の原因となる「精索静脈瘤*」が見つかる場合は、外科的手術を勧められることもあるでしょう。

*精索静脈瘤:精巣から出ている静脈に血液がたまって瘤状にふくらんでくる病気。血液にあたためられて陰嚢の内部温度が上がるために造精機能が悪くなります。

精子の数が500万個未満である場合やまったく見つからない場合は、精巣の組織検査をおこないます。現在の生殖補助医療であれば、1個でも精子が見つかれば妊娠に結ぶつけることも可能です。

 

・精路通過障害の場合

精路の通路障害には、「逆行性射精」や「精巣上体炎」、もしくは物理的に精路が狭くなっていたり塞がっていたりするなど、さまざまな原因があります。

逆行性射精とは、精液が膀胱に射精されてしまう症状のこと。この場合は、膀胱の中をあらかじめ精子の培養液で何回か洗ってから、培養液を再度注入してマスターベーションで射精します。そして培養液ごと精子を取り出して、洗浄濃縮してから人工授精します。

これ以外の精路通過障害には、外科的処置をおこなう場合と、精巣や精巣上体から精子を取り出して顕微授精にすすむ2つの選択肢があります。

 

・性機能障害の場合

性機能障害には、心因的な要因と身体的な要因が考えられます。これらはカウンセリングや、バイアグラのような内服薬を併用して改善を目指していくこととなります。

 

■まずは検査から

おおまかではありますが、男性不妊についてご説明しました。なにはともあれ、まずは精液検査をしてみないことにはなにもわかりません。

不妊治療の第一歩は、いつだって「検査」なのです。



文責:松本和紀(松本レディースクリニック 不妊センター 院長)

 

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